出汁(だし)軟水・硬水 日本の食文化を考える 海の食育プロジェクト
出汁(だし)は水によって大きく変わる うま味
山口県下関市のだしソムリエ・だし研究家・野菜ソムリエ 和食料理・心を癒すお料理研究家 本保圭一郎(魚の仲買人)がだしについて語ります。山口県は三方を海に囲まれ(日本海・東シナ海・瀬戸内海)四季を通し多くの水産物が水揚げ漁獲されます。また、山も中国山脈があり一般的な農作物から伝統野菜も100品種以上収穫されます。
この豊かな海の幸・山の幸を味わい深く、それぞれの持つ素敵な味をさらに高める秘訣が出汁だと思います。
美味しいだしを取るには、素材はもちろん、そのうま味成分を抽出する基本となる水の硬度が重要となります。地域別の水の硬度と、出汁(だし)にご説明いたします。
一般には、こだわってる方は多くいらしゃいますが、水にこだわりが重要です。
それが、地域で違う、軟水と硬水の違いです。
日本では、軟水がほとんどで日本料理にはあってます。出汁・出し・だしは、軟水ではでますが、硬水では出ないのです。
また地域別にも、水の硬度は異なります、京都の井戸水はだしにあった硬度なので京料理にはかかせません。京料理の名店では、井戸水で出汁(だし)をとっています。
昆布は軟水の方が出汁(だし)が出やすく、関東は関西に比べると硬度が高いので、昆布ではなく鰹節文化が栄えたと言います。関東でも名店と言われるお店は、水まで関西からとりよせているそうです。
・軟水とは…カルシウムとマグネシウムの含有量が少ない。水(約100〜120mg/L以下)
・硬水とは…カルシウムとマグネシウムの含有量が多い。水 (約120mg/L以上)
ミネラル成分が多く含まれる硬水は、そのカルシウムの作用でタンパク質が固まり、うまみ成分(グルタミン酸やイノシン酸)が溶け出しにくくなります。
日本の水道水は軟水と言われていますが、地域によっても硬度は異なります。
・関東地方は軟水の中でも比較的硬度が高い(硬度:約60mg/L〜約80mg/L)
・関西地方は軟水の中でも低めの硬度 (硬度:約30mg/L〜約50mg/L)
関東では魚の出汁(だし)は風味が強いのでそれを和らげるために、風味の強い濃い口の醤油が多く使われるようになったとも言われています。味の文化の差にも水の硬度は関係しています。
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